GTD(Getting Things Done)とは:5つのステップを例で解説
GTD(Getting Things Done)は、デビッド・アレンが考えた仕組みで、すべての約束ごとを頭から信頼できるリストに移し、ストレスなく次に何をするかを決められるようにします。土台は5つのステップ(把握する、見極める、整理する、更新する、選択する)と、仕組み全体を信頼できる状態に保つ週1回の習慣です。このガイドでは、それぞれのステップをわかりやすく説明し、判断のフローチャート、実例、印刷できる週次レビューのチェックリストを紹介します。
- GTD(Getting Things Done)はデビッド・アレンの個人の生産性を高める方法で、2001年に本として出版され、2015年に改訂されました。
- GTDには5つのステップがあります。すべてを把握する、それぞれが何を意味するかを見極める、適切なリストに整理する、週次レビューで更新する、次の行動を選んで実行する。
- 2分ルール:次の行動が2分以内で終わるなら、書き留めずにその場でやります。
- GTDの主なリストは、インボックス、次の行動、プロジェクト、連絡待ち、カレンダー、いつかやる・たぶんやる、資料です。
- 週次レビューには3つの段階(頭をクリアにする、最新の状態にする、創造的になる)があり、仕組みを信頼できる状態に保つ習慣です。
GTD(Getting Things Done)とは?
デビッド・アレンは2001年に『Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity』(邦訳『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』)を出版し、2015年に改訂版を出しました。前提はシンプルです。頭はアイデアを思いつくのは得意でも、しまっておくのは苦手です。頭の中だけに置いている、やり終えていない約束(「歯医者に電話」「クライアントのログインのバグを直す」「スペイン語を習うかも」)は、どれも疲れのもとになり、今やっていることから注意を奪います。
GTDは、完全に信頼できる外部の仕組みでこれを解決します。すべてが把握されて整理されていれば、リストを見て、そのときにふさわしいことを選べます。いちばん騒がしいものに反応する必要がなくなります。
この中心的な考えは研究でも裏づけられています。マシカンポとバウマイスター(2011)は、やり終えていない目標がしつこい考えを生み、その目標に具体的な計画を立てると(達成ではなく、計画するだけで)その考えが弱まることを示しました。GTDの「次の行動を見極める」ステップが、まさにこれです。
GTDの5つのステップ
| ステップ | すること | よくある失敗 |
|---|---|---|
| 1. 把握する | 気になっていることを、数を絞った収集先に集める(アプリ、紙のトレイ、メールなど)。 | インボックスが10個あって、どこにも必要な情報がそろっている気がしない |
| 2. 見極める | ひとつずつ確かめる。行動が必要か?必要なら、いちばん近い具体的な行動は何か? | 「サイト」と書く。「サーバーの情報を佐藤さんにメールで聞く」と書かない |
| 3. 整理する | 結果をそれぞれの場所に置く。次の行動、プロジェクト、カレンダー、連絡待ち、いつかやる・たぶんやる、資料、ごみ箱。 | 時刻の決まっていないタスクをカレンダーに入れる |
| 4. 更新する | 信頼できるくらいの頻度でリストを見直す。毎日ざっと、週に1回しっかり。 | 週次レビューを飛ばし、リストが古くなる |
| 5. 選択する | 状況、使える時間、エネルギー、優先度から、今やることを選ぶ。 | 選ぶだけでいいのに、毎朝すべてを計画し直す |
見極め:GTDの判断フロー(と2分ルール)
GTDの評判を支えているのが、見極めのステップです。インボックスの項目を上から順にひとつずつ取り出し、決して戻さないようにします。それぞれについて問いかけます。
- これは何か?
- 行動が必要か?
- いいえ → ごみ箱へ、資料として保管、またはいつかやる・たぶんやるへ。
- はい → 次へ。
- 望む結果は何か?2つ以上の行動が必要なら、それはプロジェクトです。プロジェクトのリストに加えます。
- いちばん近い具体的な行動は何か?そのうえで:
- 2分以内で終わる → 今やる。
- ほかの人がやるべき → 任せて、連絡待ちに加える。
- 決まった日や時刻にやる必要がある → カレンダー。
- それ以外 → 次の行動のリスト。
2分ルールがあるのは、小さなタスクを管理するほうが、やってしまうより手間がかかるからです。「木曜日で大丈夫です」の返事は今すぐ送り、「アンナさんに返信」とリストに書かないようにします。このルールはインボックスを処理するときのためのもので、深い作業の途中で細かいことを追いかけてよいという意味ではありません。
GTDのリストの説明
| リスト | 入れるもの | 例 |
|---|---|---|
| インボックス | まだ見極めていないものすべて | 「税金のこと?」 |
| 次の行動 | いつでもできる、ひとつの具体的なステップ | ニュースレターのテーマを3つ考える |
| プロジェクト | 2つ以上の行動が必要で、1年ほどで終えられる結果 | ポートフォリオのサイトを公開する |
| カレンダー | 日付や時刻の決まった行動と予定だけ | 歯医者、火曜15:30 |
| 連絡待ち | 任せたもの、ほかの人から待っているもの | ミアさんからのロゴのファイル(10/10に依頼) |
| いつかやる・たぶんやる | 今は約束しないアイデア | スペイン語を習う、メカニカルキーボードを組む |
| 資料 | 行動はないが、役立つかもしれない情報 | 契約書のPDF、取扱説明書、レシピ |
アレンは、次の行動を状況(コンテキスト)ごとにまとめることもすすめています。@パソコン、@電話、@外出、@家。今いる場所でできることだけが見えるようにするためです。いまは仕事の多くを1台のノートパソコンでこなすので、エネルギーや時間(「15分でできること」「疲れていてもできること」)でまとめる人も多くいます。
GTDの例:慌ただしい月曜日
あなたはフリーランスのデザイナーだとします。月曜の朝に机に向かい、10分のタイマーをセットして、頭の中のものを全部インボックスに書き出します。それから、ひとつずつ見極めます。
| インボックスの項目 | 判断 | 行き先 |
|---|---|---|
| 「街角のカフェのサイト」 | 達成するまでに複数の行動が必要 | プロジェクト:11/30までに街角のカフェのサイトを公開+次の行動「オーナーにサイトマップの案を送る」 |
| 金曜日の件でベンさんに返信 | 2分以内 | その場で完了 |
| クライアントからのロゴのファイル | 次の動きはほかの人 | 連絡待ち(木曜日に確認) |
| 歯医者の予約 | 時刻が決まっている | カレンダー:火曜15:30 |
| ドメインを更新する | 今週のどこかでやる、ひとつの行動 | 次の行動 |
| ポートフォリオの新しいレイアウトを試す | 今は約束しない | いつかやる・たぶんやる |
| クライアントのブランドガイドのPDF | 行動はないが、役立つかもしれない | 資料のフォルダ |
| 「体力をつける」 | あいまいすぎる | プロジェクト:止まらずに5km走る+次の行動「ランニングシューズを玄関に置く」 |
| 古いウェビナーの招待 | 関係ない | ごみ箱 |
10分の見極めで、インボックスは空になります。忘れているものも頭に残っているものもなく、次の行動のリストは本当に選べるくらい短くなっています。それでも長いときは、アイゼンハワー・マトリクスでざっと分ければ、今日いちばん大事なことを決めやすくなります。
GTDの週次レビューのチェックリスト(印刷用)
アレンは、週次レビューをGTDの成功のいちばんの鍵と呼んでいます。毎週同じ時間に45〜60分をブロックしましょう。1週間を締めくくれるので、金曜日の午後がおすすめです。デビッド・アレン社の公式チェックリストには3つの段階があります。こちらは私たちの言葉でまとめたバージョンです。
週次レビューのチェックリスト 週の始まり:______
| 完了 | 段階 | ステップ |
|---|---|---|
| ☐ | クリア | ばらばらの紙、メモ、レシートをインボックスに集める |
| ☐ | クリア | すべてのインボックス(アプリ、メール、紙)を空にする |
| ☐ | クリア | 頭を空にする:まだ気になっていることを全部書く |
| ☐ | 最新 | 次の行動を見直す:終わったものにチェック、足りないものを追加 |
| ☐ | 最新 | 先週のカレンダーで、やり残したことを確認する |
| ☐ | 最新 | この先2〜3週間のカレンダーと締め切りを確認する |
| ☐ | 最新 | 連絡待ちを見直し、確認の連絡を送る |
| ☐ | 最新 | すべてのプロジェクトを見直し、それぞれに次の行動があることを確かめる |
| ☐ | 創造 | いつかやる・たぶんやるを見直し、昇格、保留、削除を決める |
| ☐ | 創造 | 書き留める価値のある新しいアイデアを加える |
| ☐ | 計画 | 来週のいちばん大事な成果を3つ選ぶ:1) ______ 2) ______ 3) ______ |
「計画」のステップに紙が好きなら、週間計画ジェネレーターと組み合わせましょう。
CORTEXでGTDを実践する方法
GTDは紙でも、テキストファイルでも、どんなアプリでもできます。続けることを楽しくしたいなら、GTDのリストはCORTEX(タスク、ワンクリックの1日の計画、時間記録、習慣を、XP・レベル・本物のごほうびで続けられる無料の生産性アプリ)でこう表せます。合うところと合わないところを正直に書きます。
| GTDのリスト | CORTEXでは |
|---|---|
| 把握・インボックス | クイック追加:どこでもQを押して文を入力します。日付を設定していないタスクは日付なしに入ります。 |
| 次の行動 | タスクの計画の、優先度と見積もり時間(~15m)つきのタスク。使える時間から選べます。 |
| プロジェクト | タスクから進捗が計算される目標と、短い手順のためのサブタスク。 |
| カレンダー | 日付と時刻のついたタスク(金曜15時半)。カレンダーの週の時間軸に表示されます。 |
| 連絡待ち | 専用のリストはありません。「連絡待ち」という目標を作り、ロゴのファイルの確認 木曜 #連絡待ちのようにリマインダーを加えます。共有の目標なら、タスクをパートナーに割り当てられます。 |
| いつかやる・たぶんやる | 小さなアイデアは「いつか」という目標に。大きな夢はビジョンボードに。 |
| 資料 | CORTEXの役目ではありません。CORTEXはメモやファイルの保管庫ではないので、資料はメモアプリやフォルダに保管しましょう。 |
| 週次レビュー | くり返しのタスクと、記録した時間、完了したタスク、連続記録が見られる週と月の振り返り画面。 |
| 選択する | 今日の計画を立てるが、今日のタスクと期限切れのタスクを、優先度順、短いものから空き時間に配置します。 |
見極めと整理を一度に済ませるクイック追加の1行は、たとえばこうです。街角のカフェのサイトマップ案を送る 明日10時 ~30m !p1 #街角のカフェ(「街角のカフェ」という目標がある場合)。CORTEXは文から日付、時刻、所要時間、優先度、目標を読み取ります。週次レビューそのものも、くり返しのタスクにできます。週次レビュー 毎週金曜 16時 ~45m

ゲームの要素は、GTDにはなかった部分です。次の行動をひとつ終えるたびに、XPと、自分で決めたごほうびのためのクレジットがもらえます。ごほうびを今すぐほしがる脳にとって、この小さな手ごたえが「インボックスの処理」をずっと気楽にしてくれます。
GTDでよくある失敗(とすぐできる直し方)
- 設定を作りこみすぎる。20のコンテキストや入れ子のタグは、手順の多い先延ばしにすぎません。上の7つのリストから始めましょう。
- 次の行動があいまい。タスクが1週間動かないなら、もっと小さく具体的なステップに書き直しましょう。
- 週次レビューを飛ばす。レビューがないとリストは古くなり、信頼できなくなります。くり返しの予定にしましょう。
- カレンダーを願いごとリストにする。カレンダーに入れるのは、その日に必ず起きることだけです。集中の時間を意図的に計画するには、GTDに加えてタイムブロッキングを使いましょう。
- 深い作業の場所がない。GTDは何をするかを教えるのは得意ですが、難しいことのための時間を守るのは苦手です。ディープワークのブロックと組み合わせましょう。
Getting Things Done®およびGTD®は、デビッド・アレン社の登録商標です。CORTEXはデビッド・アレン社と提携しておらず、推薦も受けていません。
中断のあとの再開:約束をひとつ
大変な1週間のあとは、10分だけ使って、カレンダー、進行中のプロジェクトひとつ、その次の一歩を確かめましょう。資料の整理はあとでかまいません。進捗のモニタリングの研究は変化を確かめることを支持していて、if-thenプランは行動する具体的な機会を選ぶのに役立ちます。GTDのすべてのルールを確認するためのものではありません。実際の約束ひとつから再開しましょう。
元のチェックリストはデビッド・アレン社の週次レビューのPDFにあります。このページのワークシートは、独自に作成した補助資料です。
よくある質問
GTDとは、簡単に言うと?
GTDは、すべてのタスクとアイデアを頭から信頼できるリストに移す方法です。すべてを集め、それぞれの次の行動を決め、リストに分け、毎週見直し、状況、時間、エネルギー、優先度から何をするかを選びます。
GTDの5つのステップは何ですか?
把握する、見極める、整理する、更新する、選択する、です。気になっていることをすべて集め、それぞれが何で次の行動は何かを見極め、結果をリストに整理し、週次レビューで見直し、ふさわしい次の行動を選んで実行します。
GTDの2分ルールとは?
項目の次の行動が2分以内で終わるなら、インボックスを処理しているその場でやってしまう、というルールです。そんなに小さなタスクは、管理するほうがやるより時間がかかるからです。
本『Getting Things Done』は読む価値がありますか?
やり残しのことで圧倒されているなら、価値があります。デジタルツール向けに例を更新した2015年の改訂版がおすすめです。まず始めたいだけなら、最初の1か月はこのガイドの5つのステップ、判断フロー、週次レビューで十分です。
GTDにいちばん向いているアプリは?
インボックス、プロジェクト、期限、すばやい入力があるアプリなら、どれでも使えます。書き留めるのが楽で、週次レビューがしやすいものを選びましょう。CORTEXは把握、次の行動、プロジェクト(目標)、カレンダー、レビューに対応していますが、資料の保管庫ではないので、メモやファイルは別の場所に置いてください。
GTDの週次レビューにはどれくらい時間がかかりますか?
仕組みが整っていれば、ふつうは30〜60分です。最初のうちは、たまっていたものを片づけるので長くかかることもあります。やる気に左右されないよう、毎週同じ時間に予定しましょう。
出典・参考文献
- Harkin et al. (2016): Does monitoring goal progress promote goal attainment? Meta-analysis
- Gollwitzer & Sheeran (2006): Implementation intentions and goal achievement – meta-analysis
- Getting Things Done – official site (David Allen Company)
- The five steps of GTD (David Allen Company)
- GTD Weekly Review checklist (PDF, David Allen Company)
- Masicampo, E. J. & Baumeister, R. F. (2011). Consider it done! Plan making can eliminate the cognitive effects of unfulfilled goals. JPSP
ひとつの項目を見極めよう
登録と初期案内のあと、タスクをひとつ追加し、次の一歩を決め、必要なときだけ期限をつけましょう。
タスクを見極める