依存の再発:今すること、次の日にすること
再発のあとは、まず安全を確保し、頼れる人や相談先に連絡しましょう。原因をくわしく分析し始める前に、危ない状況から離れます。アルコールや薬物が関わる場合は、専門家に連絡しましょう。プランナーや習慣のカウンターが、その助けの代わりになることはありません。
- 安全と連絡は、すぐの分析より大事です。
- 一度のできごとで経験が消えるわけではありませんが、支えを見直す必要があるかもしれません。
- ルールをきびしくするのではなく、問題が起きる前の段階で変えられることをひとつ探しましょう。
まず、どんな助けが必要かを決める
予定より長く画面を見てしまうことと、治療後にアルコールや薬物を再び使用することは、医学的には同じではありません。この違いは、できごとをつまずき、ルール違反、再発のどれと呼ぶかより大事です。危険を真剣に受け止めるのに、完璧な呼び方はいりません。まず、今安全か、誰に連絡できるかを確かめましょう。原因をすべてその場で説明できなくてもかまいません。
NIDA(アメリカ国立薬物乱用研究所)は、再び使うことを、ケアを見直す理由として説明しています。物質が関わるなら、治療を担当している人に連絡しましょう。急な健康の問題があるときは、医療機関への相談や受診を後回しにしないでください。シートをもとに、自分で断薬を組み立てたり、薬を変えたりしないでください。ふつうの望ましくない習慣なら、最初の一歩はもっとシンプルかもしれません。状況を終わらせる、ものを置く、手の届く安全な活動に移る。同じ言葉を使っていても、危険の大きさは同じではありません。
一生の誓いを立てずに始める、最初の10分
最初の2分は、「今安全?助けは必要?」という問いに使いましょう。答えに合わせて行動します。次の2分で、状況を変えましょう。その場所を出る、衝動を呼び起こすものを置く、連絡できる人に連絡する。今度こそ強いところを見せるためだけに、誘惑のそばにとどまらないこと。治療で決めた計画があるなら、それを取り出して、決めたステップを使いましょう。
次の3分は、シンプルなメッセージに使えます。「今日、また問題が起きました。次の一歩について話したいです。いつ話せますか?」ひとつのメッセージで、これまでのすべてを説明したり、返事をもらう資格があると説得したりする必要はありません。残りの時間は、このあとの過ごし方を整えるために使いましょう。落ち着ける場所、食べもの、約束した連絡。この時間割は段取りの助けです。健康にかかわる急ぎの状況なら、この手順は中断して、状況に合った支援を受けてください。
話す前に、相手にどんな助けを求めたいかを決めておきましょう。聞いてもらうこと、専門家への連絡を決めること、次の場面の準備を手伝ってもらうこと。個人的な日記全体ではなく、選んだメモの一部だけを見せてもかまいません。いつ計画に戻るかも決めておきます。用意した代わりの行動が使えなかった、またはふつうの疲れた1日のあとには複雑すぎたと伝えるのに、次の大変な夜を待つ必要はありません。
「もう全部だめだ」という考えを止める
大変な夜のあとには、「もうだめになったんだから、このまま続けてもいい」という言葉が浮かぶことがあります。事実に即した言い方に変えてみましょう。「昨日、これが起きた。次の判断は、まだ下されていない」。起きたことの影響を、なかったことにする必要はありません。事実と、次のすべての行動も同じになるという予測を分けているのです。結果には手当てが必要かもしれませんが、恥じることだけでは、その手当ても支えの手配もできません。
ブライネスとチェンは、失敗のあとの自分へのやさしさと、よくしようとするやる気を研究しました。自分にとっては、信じられる1文と行動を結びつけることかもしれません。「つらいけれど、今日、頼れる人や相談先に連絡する」。食事を抜く、働きすぎる、これまでのメモを全部消すといった罰では、状況ははっきりしません。何かがうまくいっていた日々の経験は、今も役に立ちます。それを使いながら、今は追加のケアが必要だと認めることもできるのです。
落ち着いたら、ひとつの流れを書く
短く書きましょう。その前に何があったか、どこにいたか、何をしたか、すぐあとに何が起きたか。ウッドとルンガーは、習慣の中でくり返される状況が果たす役割を説明しています。だから、自分の性格についての最終的な評価ではなく、変えられる条件を探しましょう。夜の問題は、午後の休憩がなかったこと、遅い帰宅、支えてくれる人と話さなかった1日から始まっていたのかもしれません。そうなら、夜の新しいルールだけでは足りないかもしれません。
ひとつのできごとにとどまりましょう。過去の判断を全部一度に分析すると、すぐに疲れきってしまい、あまり実用的ではありません。観察と解釈を区別します。「仕事のあと、部屋にひとりだった」は観察です。「自分はいつも自分の成功をだめにする」は大きな説明で、この記録はそれを裏づけません。最初の手直しには、観察で足りることがよくあります。自分を苦しめる解釈については、大変な一晩をもとに自分で診断するのではなく、専門家と話しましょう。
用事でいっぱいの1日のあとの例
仕事のあと、いつもとは違う夜の過ごし方をするつもりだったのに、また遅くまでゲームをしてしまった人を想像してみましょう。朝、すぐに娯楽を全部禁止する必要はありません。まず、帰ってきたときのことを見てみます。用意された食事がなく、休憩もなく、すぐにパソコンをつけた。考えられる変化のひとつは、次の判断の前に、食事と本当の休息を用意することです。代わりの行動は、野心的なルールのリストで見栄えがいいだけでなく、必要に合っていなければなりません。
これは計画のための作り話で、ユーザーの体験談でも、ゲーム障害の診断でもありません。ゲームが長いあいだ仕事、勉強、健康をさまたげていて、努力してもコントロールしにくいなら、専門家の支えを計画に入れましょう。シートは、障害があるかどうかを決めるものではありません。でも、最初の相談で具体的なことを話す助けにはなります。どんな場面か、何をさまたげているか、どんな方法をもう試したか。問題の正しい名前を前もって知っている必要はありません。
プレッシャーを強めるのではなく、もっと前の一点を変える
ゴルヴィツァーとシーランは、if-thenの計画の研究をまとめました。気づきやすい状況と、手の届く行動を選びましょう。「遅いシフトから帰ったら、まず食事を用意して、休憩のあいだはパソコンを切っておく」。「弱くなったら、もっと強くなる」という文は、具体的な動きを何も与えてくれません。計画は、休みの日曜に机に向かっているときだけでなく、ふだんの疲れた日にも実行できるものである必要があります。
代わりの方法も書いておきましょう。散歩に出たいなら、どしゃ降りのときは?話したいなら、相手が出なかったときの2つ目の選択肢は?最初はひとつで十分です。臨床的な問題なら、専門家と一緒に用意しましょう。ボーエンらが研究したのは、治療のあとの構造化されたケアで、ひとりで書きこんだ紙ではありません。自分の計画は、決めた助けを使いやすくするためのもので、治療なしにその結果を約束するものではありません。
印刷できる次の日の計画
大変な日のあとの、自分の計画
まず安全を確保しましょう。このシートは段取りの助けで、治療ではありません。
| 問い | 自分の次の一歩 |
|---|---|
| 安全と、頼れる支え | |
| 実際に起きたこと | |
| その状況の直前にあったこと | |
| これまで役立っていたこと | |
| 変えることひとつと、2つ目の選択肢 | |
| 次の話し合いと、具体的な一歩 |
落ち着いて考えられるようになってから書きこみましょう。朝にすべての行がそろっている必要はありません。翌日に役立たない完璧な書類より、具体的な準備をひとつするほうが役立ちます。この紙を、相談に持っていくこともできます。大変な話し合いのあいだに記憶からすべてを思い出さなくても、何が足りなかったか、何が前は役立ったかを説明しやすくなります。空いた欄も、一緒に考える問いになりえます。
前の計画のよいところは残しましょう。役立つ休憩や確かめた連絡先は、新しい状況で使えなかったからといって、価値がなくなるわけではありません。必要なのは、全部のやり直しではなく、2つ目の選択肢かもしれません。的外れなアイデアと、今回は使えなかったよい支えを区別しましょう。そうすれば次の版は、どんどん長く、きびしく、ふつうの日に覚えにくくなるのではなく、もっとシンプルで現実的になります。
CORTEXがどう役立つか
ジャーナルの夜のふり返りに、何が起きて、何を用意するかを、事実として書きましょう。デジタルに残したくない細かいことまで書く必要はありません。習慣には、実際の経過を記録しましょう。数の目標なら一部だけの値を、減らしたい習慣ならつまずきを。毎日の習慣の休みの日のルールは、はっきり記録したつまずきを休みに変えることはありません。これはアプリのしくみで、物質の使用の安全性の評価ではありません。
計画に、助けへの連絡や代わりの行動の準備のタスクを加えましょう。休息のモジュールでは、短い休憩のための心地よい呼吸を試し、いつでも止められます。CORTEXは治療をせず、安全を見張らず、代わりに相談窓口に電話することもありません。紙のシートは自動では取りこまれません。次のステップは、強い欲求への対処、週の振り返り、ガイドにあります。
これは一般的な情報で、医療アドバイスではありません。困りごとがくり返す場合や物質が関わる場合は、専門家に相談してください。日本では、各都道府県の精神保健福祉センターで依存症の相談ができ、依存症対策全国センターのサイトで相談先や医療機関の情報を探せます。つらいときは、いのちの電話(フリーダイヤル0120-783-556、毎日16〜21時。ナビダイヤル0570-783-556、毎日10〜22時)に電話できます。
よくある質問
再発したら、すべてがゼロから始まりますか?
経験は消えません。まず安全と支えを確保し、それから次の一歩を直しましょう。アプリの連続記録が途切れても、これまでの変化の価値や健康状態が決まるわけではありません。
すぐにルールをきびしくするべき?
まず、どんな助けが足りなかったか、状況で何が変わったかを確かめましょう。禁止を増やしても、食事がないことや、連絡がとれないことは自動では解決しません。物質が関わるなら、変更は専門家と話しましょう。
状況を書くのは、いつがいい?
安全を確保して、少し集中できるようになってからです。短い事実のメモで十分です。押しつぶされそうなときや、健康にかかわる急ぎの助けが必要なときに、完全な記録を作る必要はありません。
再発は、助けが効いていない証拠ですか?
そうした結論が自動的に出るわけではありません。連絡して、計画を見直す理由です。別の、またはもっと強い助けが必要かもしれません。問題をひとりで抱えることが、必然の結果ではありません。
出典・参考文献
- NIDA (2018): Drugs, Brains, and Behavior — Treatment and Recovery
- Breines & Chen (2012): Self-compassion increases self-improvement motivation
- Wood & Rünger (2016): Psychology of Habit
- Gollwitzer & Sheeran (2006): Implementation Intentions and Goal Achievement
- Bowen et al. (2014): Mindfulness-based relapse prevention, randomized clinical trial
- 依存症対策全国センター
- いのちの電話(日本いのちの電話連盟)
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