イート・ザ・フロッグ:いちばん難しいタスクから始める(向かないときも)
カエルを食べるとは、いちばん大事で、いちばん気が進まないタスクを、メールや細かい用事より先に片づけることです。コーチのブライアン・トレーシーは、これをもとに本『Eat That Frog!』(2001年、邦訳『カエルを食べてしまえ!』)で方法全体を組み立てました。カエルのたとえはよくマーク・トウェインの言葉とされますが、彼が言ったという確かな証拠はありません。このガイドでは、ABCDE法でのカエルの見つけ方、明日のための5ステップ、フリーランスと学生の1日の例、本の要点、そして朝のカエルがうまくいかないときを正直に紹介します。
- 「カエルを食べる」とは、1日の最初のタスクとして、いちばん後回しにしそうな最も大事なタスクをやる、というルールです。
- もとはブライアン・トレーシーの本『Eat That Frog!』(初版2001年、第3版2017年)で、先延ばしを克服するための21の短い章でできています。
- カエルはABCDE法で見つけます。A=必ずやる(重大な結果)、B=やるべき、C=やれたらいい、D=任せる、E=やめる。いちばん大事なAがカエルです。
- ルールは2つ。カエルが2匹いるなら、醜いほうから食べる。そして、長く見つめすぎない。始めること。
- 朝のカエルは、朝にエネルギーが低い人、ADHDのある人、対応中心の仕事の人には合わないことがあります。その場合は、ウォームアップのあとの最初の集中ブロックでカエルに取り組みます。
「カエルを食べる」の意味
イメージはシンプルです。生きたカエルを食べなければならないなら、朝いちばんに食べてしまえば、1日でいちばんいやなことはもう終わっています。トレーシーの方法では、カエルとはいちばん大きく、いちばん難しく、いちばん大事なタスクのこと。いちばん後回しにしたくて、いちばん成果に影響するタスクです。
彼は2つのルールを加えています。
- 2匹のカエルを食べなければならないなら、醜いほうから食べる。いやなタスクが2つあるなら、ましに見えるほうではなく、難しくて大事なほうから始めます。
- 生きたカエルを食べなければならないなら、長く見つめても得はない。計画、「よく考える」、机の片づけは、上品な先延ばしです。座って、始めましょう。
「終わるまで続ける」という部分にも研究の裏づけがあります。ソフィー・リーロイ(2009)は注意の残り香を報告しました。終わっていないタスクから離れると注意の一部がそこに残り、次のタスクの成果が下がるのです。詳しくはディープワークのガイドで。
カエルの見つけ方:ABCDE法
カエルは「リストでいちばんいやなこと」ではありません。後回しにしている、いちばん大事なことです。トレーシーのABCDE法で見つけましょう。明日のタスクを見ていき、ひとつずつ文字をつけます。
| 文字 | 意味 | フリーランスの例 | 学生の例 |
|---|---|---|---|
| A | 必ずやる。やらないと重大な結果 | 期限までにクライアントに提案書を送る | 明日締め切りのレポートを仕上げる |
| B | やるべき。やらなくても影響は小さい | 急ぎでない問い合わせに返信する | 授業のノートを見直す |
| C | やれたらいい。やらなくても支障はない | サイトの写真を差し替える | フォルダを整理し直す |
| D | ほかの人ができることは任せる | 経理を会計の担当者に渡す | テーマを同級生と分担する |
| E | もう意味のないことはやめる | 誰も読んでいないニュースレター | できあがったノートの3回目の清書 |
Aのタスクに番号をつけます(A-1、A-2、A-3)。A-1がカエルです。トレーシーのルール:Aのタスクが残っているうちは、決してBのタスクをしない。緊急度と重要度で分けたいなら、アイゼンハワー・マトリクスでも同じことができます。
明日のための5つのステップ
- 前の晩にカエルを選ぶ。明日のタスクをABCDEにかけ、ひとつにA-1の印をつけます。夜に決めておけば、朝に決めるための意志の力を使わずに済みます。
- 最初のひと口を切り分ける。「提案書を書く」は大きすぎます。「テンプレートを開いて、クライアントが望んでいることを3点書く」なら大丈夫です。
- カエルを最初のブロックにする。メールのあとでも、「コーヒーとちょっとニュースを見てから」でもなく。コーヒーはいいけれど、ニュースはなし。
- スマホは遠ざけ、ウィンドウはひとつ。25分か50分のカウントダウンをセットし、カエル以外は何もしません。ポモドーロ・テクニックでブロックの設定方法を紹介しています。
- 自分にごほうびを。食べ終えたカエルは、休憩、散歩、お気に入りのコーヒーのいい理由です。脳が、難しい始まりといい終わりを結びつけるようになります。
1日の例:フリーランスと学生
フリーランスのデザイナー
| 時間 | すること |
|---|---|
| 8:30 | コーヒー、計画を見る(メールは見ない) |
| 8:45〜9:35 | カエル:新しいクライアントのロゴのコンセプト、第1案(50分) |
| 9:35〜9:45 | 休憩、ストレッチ |
| 9:45〜10:35 | カエルの続き:第2案を作って送る |
| 10:35〜11:15 | メールとメッセージをひとつのブロックで |
| 11:15〜12:30 | Bのタスク:継続クライアントの細かい修正 |
| 午後 | 打ち合わせ、請求書、事務作業 |
試験期間の学生
| 時間 | すること |
|---|---|
| 9:00 | 朝食、スマホは寝室に置いたまま |
| 9:20〜9:45 | カエル:統計学でいちばん難しい単元(25分) |
| 9:45〜9:50 | 休憩 |
| 9:50〜10:40 | カエル:同じ単元でさらに2ブロック |
| 10:40〜11:00 | 長めの休憩、メッセージ |
| 11:00〜12:30 | 簡単な単元、自分でテスト |
どちらの場合も、11時にはカエルを食べ終えているか、よいスタートを切っています。その後の1日がばたばたしても、いい1日だったと言えます。
本の要点
『Eat That Frog!』の第3版は21の短い章でできています。いちばん実践的なものを、私たちの言葉で紹介します。
- 目標を明確にする:何を望むかを正確に決め、書き出す。
- 毎日を前もって計画する。できれば前の晩に。
- 80対20の法則:少数のタスクが成果の大部分を生む。カエルはたいていそのひとつ。
- 結果を考える:長期的な影響のあることが大事。
- 創造的に先延ばしする:何かは必ず後回しになるので、価値の低いものを意図的に後回しにする。
- ABCDE法を使う(上を参照)。
- しっかり準備する:立ち上がる言い訳がないよう、必要なものをすべて手元に。
- 目印をひとつずつたどる:巨大なタスクも、次の一歩だけを見ればやり遂げられる。
- タスクを切り分け、じゃまの入らない大きな時間のブロックを作る。
- どのタスクも一度で終える:始めたら、終わるまで続ける。
やる気を引き出す文体で書かれていて研究の裏づけは多くありませんが、1日の計画のルール集としてはよく機能します。そもそもなぜ物事を後回しにするのかを知りたいなら、先延ばしをやめる方法を読んでください。
「最初にカエルを食べる」が向かないとき
- 朝にエネルギーが低い。昼ごろにやっと調子が出るなら、朝のカエルは罰です。最初にエネルギーの高いブロックにカエルを置き、1日は軽いことから始めましょう。ルールは変わりません。カエルはメールや細かい用事より先です。
- ADHDや似たタイプの注意力。難しいタスクを「いきなり」始められない人は多くいます。まず短い達成(5〜10分)、その直後にカエル、ばかばかしいほど小さな最初の一歩、目に見えるカウントダウンが役立ちます。これは医療アドバイスではありません。
- 対応中心の仕事。サポート、シフト勤務、保守など、朝を自分で決められない仕事。1日の最初の落ち着いた時間をカエルのために確保し、守りましょう。
- 決まった締め切り。10時にクライアントとの打ち合わせがあるなら、その準備のほうが「大きなプロジェクト」より大事です。カエルとは、今日いちばん結果が大きいことで、いつもいちばん大きなタスクとは限りません。
CORTEXでカエルを食べる
CORTEX(誰でも無料)では、カエルを前の晩に準備し、朝はただ始めるだけです。
- 夜にカエルに最優先の優先度と見積もりをつけます。クイック追加(Qキー)なら1行で:
クライアントへの提案書を書く 明日9時 ~50m !!!。明日9時、50分、最優先のタスクです。 - 朝に「今日の計画を立てる」を押す。1日の計画は時刻の決まったタスクをそのままにし、残りを期限と優先度に合わせてそのまわりに、ゆとりを残して並べるので、9時のカエルが最初のブロックになります。
- カエルで集中セッションを始める。ポモドーロ25/5か50/10で、役立つなら背景のサウンドも。
- チェックを入れてXPを。最優先のタスクは50XP、低い優先度のタスクは10XP。食べたカエル1匹は、小さな達成5つ分の価値があります。

よくある質問
「カエルを食べる」とはどういう意味ですか?
1日の最初のタスクとして、いちばん後回しにしそうな最も大事なタスクをやる、というルールです。それが終われば残りの1日は楽になり、細かい用事が本当の仕事に必要な時間を奪うことがなくなります。
『Eat That Frog!』を考えたのは誰ですか?
この方法は、ブライアン・トレーシーが本『Eat That Frog!』(2001年、第3版2017年、邦訳『カエルを食べてしまえ!』)で紹介しました。カエルのたとえは昔からマーク・トウェインの言葉とされていますが、彼が言ったという信頼できる証拠はありません。
ABCDE法とは何ですか?
ブライアン・トレーシーの本にあるタスクの分け方です。 A=必ずやる(やらないと重大な影響)、B=やるべき(やらなくても影響は小さい)、C=やれたらいい、D=任せる、E=やめる。いちばん大事なAのタスクがカエルです。
カエルが2匹いたらどうする?
トレーシーによれば、醜いほう、つまり難しくて結果の大きいタスクから食べます。2匹目は次のブロックに、メールや細かいタスクより先に置きましょう。
カエルを食べる方法はADHDに向いていますか?
ADHDのある人の多くは、朝いちばんに難しいタスクを始められません。短い達成から始めて、その直後にカエルを置き、最初の一歩を小さくし、目に見えるカウントダウンを使うと役立ちます。これは医療アドバイスではありません。
出典・参考文献
- Brian Tracy: Eat That Frog! 21 Great Ways to Stop Procrastinating and Get More Done in Less Time, 3rd edition, Berrett-Koehler 2017, ISBN 9781626569416 (Google Books)
- Brian Tracy: The truth about frogs (blog)
- Leroy (2009): Why is it so hard to do my work? The challenge of attention residue when switching between work tasks – Organizational Behavior and Human Decision Processes
2分で1日の計画を立てよう
タスクをふだんの言葉で入力すると、CORTEXが時間のブロックに分けた無理のない1日を組み立てます。
無料で1日の計画を立てる